アスタミューゼのKOL探索サービスを活用した、新しいテーマ発見

サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社

URL
https://www.suntory.co.jp/sic/
業種
製造業
課題
  • 水科学・ヘルスケア・サステナビリティ領域で新しい研究テーマ探索
  • クオンツ運用における投資戦略の高度化
  • 10〜20年後に向けた世界の取り組みと未来技術の探索

アスタミューゼのKOL探索サービスを活用した、新しいテーマ発見

サントリーグループの基盤技術研究を担う会社として2013年に創業したサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社。自分たちの研究を通じて「未来」のお客様にとっての価値創造をミッションとして掲げている同社は、アスタミューゼとともに重点研究領域を設定し、勝ち筋の見える新たな研究テーマを探索した。その様子について、代表取締役社長安東 範之氏に聞いた。

インタビュイー:サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 代表取締役社長 安東 範之 氏

1994年4月サントリー株式会社入社。エンジニアとしてウイスキーの原酒開発や新製造プロセス導入を担う。酒類、飲料の原料加工・プロセス技術開発に従事した後、食品部門の中長期技術開発戦略の立案に携さわる。2013年にサントリーグループの基盤技術研究を担うサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社取締役に就任。2021年より現職、サントリーホールディングス株式会社執行役員、研究企画部長、サントリーウエルネス株式会社取締役を兼任。

自社の強みを生かしたR&Dテーマの収集方法に悩み

導入当時の課題とアスタミューゼを知ったきっかけを教えてください。

安東:研究テーマの設定に悩んでいました。これまでは研究メンバーからボトムアップ的にテーマを集めて実行していたのですが、どうしても研究者の思いが先立ってしまい、なかなか成功確率が上がりません。そこで、2017年からは考え方を変えて、トップダウン的に重点研究領域を設定し、外部環境や競合の状況、先行事例等をしっかり調べて自分たちの勝ち筋を見つけた上で研究していこうということになりました。

そこで、こうした情報を豊富に持っていてしっかりした解析をしてくれる企業を探していたところ、すでに特許分析やパテントマップの提供等でサポートを受けていた知財部から、「世界最大級のデータベースを持っていて大局的かつ網羅的な分析できる」とアスタミューゼを推薦されたのです。

その後、どのようなサポートをさせていただきましたか?

安東:大きく2つあります。1つは、我々が決めた重点研究領域に関するグラントやスタートアップの動向を検討し、我々の考える勝ち筋が正しいかどうかを判断するサポートをしていただくこと。重点研究領域とは、現在の加工商品をより美味しくする領域とヘルスケア、水資源および原料のサステナビリティの3領域です。もう1つは重点領域の研究を進めるにあたり、我々のケイパビリティやコア技術について棚おろしを行い、我々の強みがどこにあるかを解析していただきました。

アスタミューゼDB活用で、成功確率2倍以上、スピード10倍以上

アスタミューゼのサポートによって、どのような成果を得ましたか?

安東:まず、知財部がデータ活用力を身につけ、ある程度自走できるようになりました。アスタミューゼから知見を得てデータベースの見方や活用方法を学び、強い特許・死蔵特許の判別、知財を活用した用途・新規事業の探索等が自分たちでも少しずつできるようになってきたと思います。

次に、研究開発部門の研究に対する自信が格段に上がりました。アスタミューゼが世界のスタートアップやグラントに関する膨大なデータから10〜20年後に向けた世界の取り組みと未来技術を抽出し、今後こうなっていくだろうという未来像を示唆してくれたので、「自分たちがこれからやろうとしていることは正しい」という自信が持てるようになりました。また、将来有望な技術を保有しているであろうキーオピニオンリーダーやイノベーターを10〜20選出し、その中でも特に有名な方を数名ピックアップしていただいたことで、将来的にどんな方と一緒に研究していくべきかという選択肢の幅が圧倒的に広がりました。

実際に、そうしたプレイヤーにお声がけはされたのですか?

安東:はい、ヘルスケアとサステナビリティ分野で共同研究に発展したものがありますし、CO2削減技術など、アスタミューゼからいただいた情報をベースにアプローチをかけて話が進んだところもあります。相手の方はアカデミアだったり、ナショナルインステシチュートだったり、スタートアップ企業も含まれています。すでに技術的な完成に近づき、事業化の一歩手前まで来ているプロジェクトも出てきています。

2017年のサポートから6年間を経て現在の成果に結びついているのは非常に嬉しく思います。情報収集の時間は短縮されましたか?

安東:あくまで私の肌感ですが、外部情報を収集する期間は、自分たちで集めた場合と比べて10分の1以下になっていると感じます。スピード感と網羅性はアスタミューゼの最大の魅力だと思いますね。

ほかに私たちのリサーチが役に立った点はございましたか?

安東:時間短縮も重要ですが、それ以上に成果を感じているのは、未来に向けて組むべき適切なパートナーを見つけられたことです。「誰と組むか」は新規事業の成功確率を上げ、実現スピードを加速させる最大の要素だと言っても過言ではありません。これまでは実際に会って1次情報を集めるというように自分たちで一つひとつ確認しながらやっていたので、時間がかかる割に報われないことが多々ありました。

この点、アスタミューゼなら、特定領域のイノベーターをロングリスト化し、キーピニオンリーダー同士の関係性もネットワーク分析して、今後コンタクトすべき人、パートナーに関するサジェスチョンをいただけます。将来有望な人物を特定してアプローチできるので、成功確率は2倍以上、スピードも10倍以上になるのではないでしょうか。

それから、ビジネスモデルのフレームづくりや事業を進める上での観点、新領域の未来トレンドやキーパーソンリストなど、アスタミューゼが作成してくれた資料も非常に役に立ちました。

社内に何か変化は生まれましたか?

安東:組織的な観点では、マネージャーが以前よりも外部の情報を見るようになったと感じます。研究者はどうしても自分たちのネットワークの範囲だけで物事を考える傾向が強いのですが、アスタミューゼとご一緒してからは視野が広がり、研究の目的や意義をより深く考えられるようになりました。これからどのように進んでいくのか、大いに期待しているところです。

本日は貴重なお話をどうもありがとうございました。

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